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2020.06.27

師匠の「中国に行ってきました(出会ったすごい人たちの話)」最終話

「これ、私が持っているお手本と同じだよ」というと、今度は向こうがビックリして、「中国人でも観たことがないのに、なぜあなたが持っているんだ?」と言われたのですが、それが手元にきた経緯を伝えると、なんとか納得していたそうです。

中国最後の日の昼間、通訳にあるお寺に連れて行かれたそうです。

結構もったいぶる人なのですが、その日はあまり口を開かないので、ちょっと雰囲気の違いを感じていたそうです。

 

タクシーでお寺についてみると、日本のお寺とは雰囲気が違うので、何か緊張を覚えたそうです。

入り口を入ると巨大な門があって、その中に中国の聖人の巨大な像が並んでいて、物々しい雰囲気でした。

門を抜けると、真ん中が庭で、周りが回廊になっていて、本堂のようなものはなく、正面の2階にいくつかの部屋が並んでいました。

 

「このお寺は西遊記のお寺です」と突然言ったので、意味がわからず、説明を求めたら、三蔵法師(玄奘三蔵)が天竺までとりに行ったお経が納められているお寺とのことです。

「あれは本当の話?」と訊いたら、「西遊記は作り話だけど、玄奘三蔵が天竺までお経をとりに行ったのは本当です」と言われました。

そして、「今日は許可をとってあるので、特別なものを見せてあげる」と言われ、正面2階の部屋に連れていかれたそうです。

 

「あの部屋です」と言われ、部屋の前に立ったら、そこには扉しかないのに、急に強い風が吹いたので、「なぜ閉めた扉から風が吹くんだ?」と訊いたら、「開けたらわかりますよ」とだけ言われたそうです。

そして「さすがに先生(大師匠)の弟子だなぁ。感じるのかぁ・・・」と独り言のようなことを言っていたので、不思議に思いながら扉を開けたそうです。

 

扉を開けると、正面に釈迦如来の座像がありました。

それは中国の数珠などに使われている「ぎょく」という緑色の石だったのですが、「よく観てください」と言われて調べたら、2m弱の巨大な像なのに、どこにも継ぎ目がありませんでした。

つまり1個の石から作った像だったので、「風(強い気)の正体はこれ?」と訊いたのですが、笑って「違う」と言われ、「周りの壁を観て」と言われて観たら、壁に小さい引き出しのようなものが、ずらっと並んでおりました。

 

「あの引き出しの一つ一つに、三蔵法師が持って帰ったお経が入っています」と言われ、「ええっ!」と驚いたそうですが、「仏様の前を観てください」と言われ観ると、一巻のお経が開かれ、空調されたガラスケースに入っていたそうです。

「般若心経です」と言われたので、二度ビックリして、「中国にも般若心経があるの?」と訊いたら、「天竺にとりに行って、中国に帰ってきたんだから、当たり前でしょう」と言われ、「なるほど」と思ったそうです。

 

「般若心経は、三蔵法師にとっても特別なお経だったようです」と言われましたが、その字は古い漢字で、文字配列が日本のものとは違っておりました。

般若心経はもともと古代サンスクリット語で書かれていたのですが、三蔵法師が弟子をたくさん連れて行って書き写させたときに、サンスクリット語では、中国の人がわからないので、漢字になおして書かせたわけです。

 

しかし、般若心経の仏様の「お悟りの言葉」だけは、あえて訳さず、サンスクリット語の発音のまま漢字に音訳させて、日本ではその部分だけを改行して書かれてあるわけです。

 

「これ、私が持っているお手本と同じだよ」というと、今度は向こうがビックリして、「中国人でも観たことがないのに、なぜあなたが持っているんだ?」と言われたのですが、それが手元にきた経緯を伝えると、なんとか納得していたそうです。

※私どもの写経は日本で一般的に市販されているものと異なります。

 

私どもは、五行の火のエネルギーを活用するのに、希望者には写経を書いてもらっているのですが、時々不思議なことを起こす写経で、「これはただ事ではない」と師匠も当時から思っていたそうですが、「そういうことだったのか」と今度は師匠がビックリされたそうです。

 

最初の中国旅行といいますか、研修会は、こうして幕を閉じたそうです。

「世の中には、すごい人がいるんだな」ということと、その世界が自分に関わってきたことに、胸が高なったのを今でも覚えているそうです。

 

というお話を、師匠から改めて聞かせて頂いたのでした。

おわり

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