占いコラム

写経

2023.11.12

本物の写経

当然、市販されているものとは違っていたわけですが、師匠がすでにもっていたお手本と同じだったので「これなら持っているよ」と言いましたら、「どうして、あなたが持っているんだ!?」と問い詰められてしまったそうです。

写経をされる方は結構多くて、なかにはビックリするような枚数を書いている方がいらっしゃいますが、写経は枚数を競うものではありません。

ですから、写経をたくさん書いたからといっても不幸になるし、病気にもなります。

信仰心の現れとして写経を書く人は、その信仰心によって行動が変わって、それが結果に現れることもありますが、心が変わらない人は、何枚写経を書いても、何も変わらないと思います。

 

その写経にもいろいろありまして、ほとんどは般若心経を書き写したものを指しているようですが、その書き方はいろいろあります。

現在は、文房具店や書道用品店で売っている写経セットを使って書いている人が多いと思いますが、これらは私どもが使っているものとは文字配列が異なります。

 

浄土真宗などは写経を否定しておりますが、そもそも仏教が日本に来た頃に印刷技術はなかったので、全部が写経だったわけですから、このことに意味はないと思います。

同じ浄土真宗でも、西日本は写経を否定しておりますが、東日本は写経を否定していないし、有名な牛久大仏には、あの大きな仏像の中に、写経のためのスペースがあって、道具まで準備されていますから、むしろ承認されているくらいです。

 

何が正しいのかは分かりませんが、ひとつの手がかりになる経験があります。

私の師匠が、大師匠の門を叩いたときに、最初にしたことは中国に行くことでした。

理由は「本物を観るためだ」と言われたそうですが、そこで見せられたいくつかの経験の中で、上海で、ある寺に連れて行かれました。

 

現地の人間国宝の孫が案内してくれたのですが、前もって「今日行くところは、普通の人には行けないところです」と言われていて、行ってみたところ、異様な空気が流れていたので、その時はまだ素人だった師匠にも、特別な場所であることはわかりました。

 

そこは三蔵法師が天竺(インド)から持ち帰ったお経が保管されている寺で、壁一面が引き出しになっていて、そのひとつひとつにお経が保管されていました。

その中央に、空調されたガラスケースがあって、その中に広げられているのが般若心経でした。

当然、市販されているものとは違っていたわけですが、師匠がすでにもっていたお手本と同じだったので「これなら持っているよ」と言いましたら、「どうして、あなたが持っているんだ!?」と問い詰められてしまったそうです。

要するに、師匠の持っているお手本は、三蔵法師が持ち帰ったものと同じだったわけで、問い詰められた師匠の方が驚いてしまったそうです。

 

その経緯を説明しましたら相手も納得してくれたそうで、「般若心経というのは、三蔵法師にとっても特別なお経だったようですね」と教えてくれました。

それにはさまざまな使い方があるのですが、それまで大師匠が「写経は書くだけでは意味がない。使ってはじめて意味を持つ」と言われていた言葉の意味が、その時分かった気がしたそうです。

そして、実際に使ってみると、想像をはるかに上回る「どうして、こんなことが起きるんだろう」という結果が待っていました。

それは普通の写経ではなく、三蔵法師が持ち帰った写経であったことと、使い方というノウハウが起こしていたのだと思います。

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