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2021.05.10
バチが当たる
このようにして日本人は、やってはいけないことを「バチ」という言葉から学んだわけです。
先日、師匠から、依頼者で「バチが当たったら怖い」と仰った方がいたと伺いました。
最近の、特に若い世代の方達は、あまり使わなくなった表現かと思いますので、その「バチ」についてお話をしてあげたそうです。
「バチ」といいますと、皆さんの感覚では、自分のしたことに対して、神様や先祖が怒って、戒めを与えることだと思われているようです。
つまり「バチ」には、神様が与える「バチ」と、先祖が与える「バチ」があるということになります。
人間として、やってはいけないことをしたり、神聖な場所を汚したり、弱いものをいじめたりすれば、それこそ「バチが当たっても仕方がない」と思うのですが、多くの場合は「やってはいけないことを説明するのに、言葉で説明するのは面倒」なので、「『バチが当たる』と言った方が、よく伝わる」ということではないでしょうか。
そういう表現でしたら、小さい子には面倒な説明をしなくても伝わります。
例えば、「神社の参道は、真ん中を歩かずに、端を歩かないとバチが当たる」というのは、「神様の前では、謙虚になりなさい」という姿勢を教えるためでした。
家相に鬼門というものがありますが、これは地球に流れている北から南の磁力と、東から西への回転運動によって、地球には北東(表鬼門)から南西(裏鬼門)のベクトルの力が働いていることになりますので、これを「神様の通り道」と考えて、ここが穢れると、家の中の気が穢れるので、穢れることを戒めるように「鬼」という言葉を使ったわけです。
「北東」には「財産」という意味と「後継ぎ」という意味がありますので、昔の人は、ここをキレイにすることで「家」を守ったわけです。
事実、ここが凶相になった家は、財産がないか、役に立つ後取りがいないかの、どちらかになっています。
童話の「桃太郎」も、北東の鬼門に鬼ヶ島があって、鬼がいると考えて、その鬼を退治すれば、神様が戻ってきて、世の中が平和になるという話なのです。
神様は来ませんでしたが、鬼が改心することで、世の中は平和になりました。
北東には「変える」という意味もあります。
このようにして日本人は、やってはいけないことを「バチ」という言葉から学んだわけです。
「お天道さまが見ているよ」というのも、同じような意味があると思います。
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