占いコラム
子育て
2023.01.17
朝ドラを観てみると
当然、ドラマでは学校に行ってくれないと困るので、そうなってしまうのでしょうが、問題は、このドラマを観ている人、特にこういう問題の当事者の親も、それを信じ込んでしまっているということなのです。
NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』で、主人公の舞が幼い頃過ごした五島列島のおばあちゃんのところに行く展開になったのですが、そこで、朝陽くんという登校拒否の子を預かることになりました。
朝陽くんは小学生なのですが、友達とのコミュニケーションがうまくとれないことが原因でいじめに遭っているというのが、登校拒否の原因のようです。
それはドラマ的理由なのですが、その道のプロとしてドラマを観ますと、お母さんの育て方にこうなるような問題があって、そういう意味では製作者はよく研究しているのですが、プロ的には大きな原因がまだ2つあって、それが解決しないのに、このドラマでお母さんが願っている「この子の環境が変われば、学校に行くようになる」ということは、実際にはないわけです。
現実的には、登校拒否の子はずっと立ち直れず、その後、出社拒否も加わって、中高年の引き込もりが過去最高というのが実情です。
ですから、この子が立ち直ることは、ほとんどないというのが現実なのです。
当然、ドラマでは学校に行ってくれないと困るので、そうなってしまうのでしょうが、問題は、このドラマを観ている人、特にこういう問題の当事者の親も、それを信じ込んでしまっているということなのです。
私どものところへご相談に来られる方も「この子は、いつか立ち直ってくれる」と信じている人がほとんどです。
まず「それは誤解です」というとビックリされるのを見て、こちらがビックリするというのが、いつもの光景です。
そんなドラマのような展開を信じているから、人生の一大事が起きているのに親は落ち着いていて、あっという間に二十歳になって、大脳生理学上でも「これ以上は、変化しない」というタイムリミットを迎えてしまうのが大半です。
「立ち直ると信じていたのにダメでした」というドラマでも作ってくれたらいいのですが、それは視聴者が許さないでしょうから、難しいところです。
テレビの影響というのは意外と大きくて、例えば「水戸黄門」で、「お代官様」と「庄屋さん」がいつも悪者になりますので、”金持ち=悪人”という発想が日本中に刷り込まれたのは有名な話です。
いずれにしましても、2022年度の統計で、引きこもりも登校拒否も史上最高になってしまったので、この状況はさらに悪化するということです。
親は「成人するまでに」と呑気なことを言っておりますが、成人になって突然解決しても、それまでに社会復帰していないと無理ですから、相談者には「1日も早く解決しましょう!」というと、また驚かれるわけです。
私どものそういう問題の解決率は7割くらいなのですが、失敗というか成功しない3割は、親がこちらの言った通りにしてくれないのが原因で、言った通りにしてくれたところは、みんな解決しているわけです。
私が小学校の頃は、学校に来ない子は学年にひとりくらいで、病的な原因がついていましたが、今は小学校で1クラスの5人くらいいるそうです。
だんだん不思議ではなくなってしまっているということです。
しかし「いつか行くようになる」という親の幻想で、「ずっと行かなくなる」というのが現実なのです。
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