占いコラム
季節の行事
2020.09.18
お彼岸の七日間
何事もなく平和に過ごしている人というのは、「有形」と「無形」を上手に取り入れている人です。 「有形」「無形」を上手に取り入れるために、昔の人は一年のお彼岸を二回、お正月とお盆など、一年に(最低)4回くらいは「無形」の世界に接する行事を作ったのです。
お彼岸というのは全部で七日間あります。
皆さまはこのお彼岸を、どのようにお過ごしになられるのでしょうか?
秋のお彼岸は、9月19日(彼岸入り)〜9月25日(彼岸明け)です。
では、お彼岸とは…一体なんでしょうか。
彼岸は仏教用語で、元々梵語(ぼんご)の波羅蜜多(はらみった)を漢訳した「到彼岸(とうひがん)」のことだそうです。
煩悩に満ちた世界「此岸(しがん)」から解脱した悟りの世界、涅槃(ねはん)を指します。
こちらの(此方)の岸とあちら(彼方)の岸という意味だと考えるとわかりやすいと思います。
さらに煩悩に満ちたこちらの世界を現世、涅槃の世界を死後の極楽浄土ととらえ、あちらの世界と考えたところから、亡くなった先祖たちの霊が住む世界を「彼岸」と考えるようになったようです。
このことから「彼岸に墓参り」ということはわかりますね。
なお、この時期には「彼岸会」という仏教の法会が開かれ、これが現在の「彼岸」の由来となります。
お彼岸の第一日目は「金星日」といい「金星」の神様が降りてきます。
二日目は「水星」の神が降り、三日目は「太陰」、つまり「月」が降りてきて、中日は「太陽」が支配します。
五日目は「木星」、六日目は「火星」、七日目は「土星」が降りてきます。
どうして七日なのかといいますと、黄道(神の道)を通過する星が全部入っているためです。
七日という数字は、七五三、初七日などにも使われていますが、「天の神様」に密接な繋がりがあり、様々な仕切りが出来上がっているのです。
手を合わせるということは、「天」=右手、「地」=左手、「自分」=人間が融和することを意味しています。
宇宙と融和、一体になるということです(天地人の一体)。
年の供養にも「七」とか「三」という区切りがありますが、天地人が一体になる、天の七星の組み合わせによるものです。
人間というのは、形のある世界(有形人脈)、形のない世界(無形人脈)とで結ばれていると言われております。
この人脈はどんな人でも持っていますが、「有形人脈」ばかりに偏ったり、「無形人脈」にばかり偏ってはいけません。
例えば不運に陥ったとすれば、その形のあるものばかりに目がいくものです。
そこにアンバランスの状況を作り出し、不運を感じてしまうのです。
何事もなく平和に過ごしている人というのは、「有形」と「無形」を上手に取り入れている人です。
「有形」「無形」を上手に取り入れるために、昔の人は一年のお彼岸を二回、お正月とお盆など、一年に(最低)4回くらいは「無形」の世界に接する行事を作ったのです。
人間の労力のサイクルは「60日」です。
60日×陰陽(2)=120日が稼働力の限界です。
120日頃になると、墓参り、お盆、お正月、など4ヶ月に一度くらいは先祖の供養(無形)のものを取り入れるように、先祖の人たちが作り出したと言えるでしょう。
つまり、120日のパターンで「無形」の行事を自分の生活サイクルに合わせていくと、運勢にブレが少なくなります。
運勢をあげようと思わないで、下げないように心掛けることだと思います。
お彼岸の墓参りは自分のためです。
家族全員で楽しみながらしていくことが、ほのぼのとした明るい家庭を築いていくことになるのではないでしょうか。
●「ぼたもち」と「おはぎ」の違い
お彼岸と聞いて思い出すものの一つに「おはぎ」「ぼたもち」があります。
もともとは小豆の赤い色が、災難から身を守り、邪気を払うといわれ、お供えをするようになったそうです。
さて、「おはぎ」と「ぼたもち」は、どう違うのでしょう?
漢字で書くと「御萩」と「牡丹餅」。
秋に咲く花「萩」、春に咲く花「牡丹」と、花の名前がついています。
秋のお彼岸に食べるのが「おはぎ」、春のお彼岸に食べるのが「ぼたもち」と言われているようです。
「おはぎ」は「萩の花」「萩の餅」などと言っていたものを丁寧な「お」をつけて「御萩」と呼ばれるようになったようです。
「ぼたもち」も「ぼたんもち」から変化したようですね。
また、萩の花は小さい花がたくさんついていて、つぶつぶのように見えます。
ですから、粒あんのものが「おはぎ」、こしあんのものが「ぼたもち」とも言われています。
実際、小豆の収穫時期が秋ですので、とれたての小豆は柔らかく、皮も一緒に食べられることから、秋は粒あんで、春は冬を越した小豆の皮が硬いので、皮を取り除いたこしあんになるそうです。
今では季節、また形に関係なく、おはぎやぼたもちとして売られております。
しかし、地域によって別の呼び方もあるようですし、まだいろいろなおはぎとぼたもちの区別がありそうですね。
以上のようなことを、頭のどこかに置いて、改めて「お彼岸」というものの時をお過ごしになられたらよろしいのではないでしょうか。
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